HOME › 調べていること › 「がんどうち」の語源について

「がんどうち」の語源について

★がんどうちの語源について
「がんどうち」の語源について
「がんどうち」の語源について、いろいろ調べておりましたら、飛騨春秋に下記の記事を見つけました。
かつて社主の桑谷先生も同じことを思い、読者に疑問を投げかけていたようです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「がんどうち 桑谷正道 (飛騨春秋119号 12-414P) 
 益田郡地方では、四月三日に雛祭りをするが、子供たちが、お雛さまを見てお供えの菓子を貰いにいくこと
を、「がんどうちに行かんか」という。其の語源を考えてみると、 
 ①がんどは鋸で、うちは目立てをすること。または修理をする事で、騒々しい事。
  したがって騒ぎながら、悪童たちが雛様の歌詞を貰うこと。
 ②がんどは灯りでぼんぼりに通じ、うちは歌っての囀化。つまり雛さまの前で歌って菓子を貰うの意。
 ③がんは願、どは盗み願って菓子を盗むと言うわけ。
3つのうちで①が無難なように思われるがどうだろうか。大野郡宮村では「がんどびき」といっている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
文中に紹介されている「ガンド」というのこぎりであるが、春木を伐るためのかなり大きな鋸(のこぎり)で
、写真入りで紹介されている。
ガンド(雁頭鋸)  飛騨春秋第26年3郷(通巻271 P2)
「がんどうち」の語源について 
ハルキ(春木)を切る鋸で、柄に目盛を附けている。
ハルキキリは二月から三月にかけ、共有林で一年間使う
燃料の木を切り、その地に積んで置き、一ヶ年乾燥させて
翌年家に運ぶ。
楢材を最高とし、他の木を雑木と呼んでいる。
各農家では、一年の燃料を確保し、余った分は売った。
 余談ですが、「ハルキ」について金森時代には、三福寺の小池家が春木を高山町内で売買することを許可さ
れ、大八賀川を船で流し、宮川を遡上して、高山町で売買していた時代もあったようである。(「小池文書」
・飛騨史談)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「がんどうち」について  大野政雄(飛騨春秋通巻120号 12-5 P13)
「貴誌四月号に御執筆の「がんどうち」を拝読いたしました。うめ草の間に合わせに、とっさにお書きになっ
たらしい玉稿に対してとやかく申し上げるのもおこがましい次第ですが、高説の①②③は、いずれも付会が過
ぎてるように感じました。「がんどびき」のほうは、どう説明されるのでしょうか。愚見を述べさせていただ
きます。
「がんど」とは、元来強盗を宋音読みにしたことばです。「がんど頭巾」は強盗が顔を隠すためにかぶるもの
でした。「がんど提灯」は強盗が自分の顔は見られないで、前方だけ照らしだそうと工夫したものです。(龕
燈にあらず)長崎では憎まれ口を「がんど口」というそうです。大型鋸の「がんど」も強盗切りの刑具に使わ
れてからの名であろうと思われます。
「演説をぶつ」「万引き」などというでしょう。強盗に押し入るのを「がんどうち」、物を強奪するのを「が
んどびき」というのです。
 勇壮な語感が腕白小僧どもをよろこばせて、よその家に押しかけ、雛様を見てほめ、お菓子をねだる。ある
いはおおっぴらに失敬してくることを、「がんどうち」などといわせるようになったのだと思います。
 なお、全国方言辞典によれば、静岡県や愛知県の一部には、雛祭りのお供えを下げてたべることや、お供え
そのものをも「がんど」とよぶ地方があるようです。」
 この「がんどうち」という言葉は、語源をたどってみると、結局は「強盗」という言葉の語源につながり、
あまり行儀のいい言葉ではないことがわかりました。

徳積善太
スポンサーリンク

同じカテゴリー(調べていること)の記事画像
ちゃつについて
がんどうちの分布について
清峯寺の御本尊
山之村の風景3
山之村の風景2
山之村の風景1
同じカテゴリー(調べていること)の記事
 ちゃつについて (2013-04-16 20:16)
 がんどうちの分布について (2013-03-30 23:39)
 清峯寺の御本尊 (2012-07-27 23:13)
 山之村の風景3 (2012-06-13 20:00)
 山之村の風景2 (2012-06-12 22:00)
 山之村の風景1 (2012-06-11 23:59)

コメントする

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。