提燈アラカルト(飛騨総社編)

rekisy

2008年05月04日 22:04

今日は、飛騨総社のお祭りの提燈について、お知らせします。


本町四丁目の提燈  「敬蜀」(ケイショク) 蝋燭の明かりを敬うという意味だそうです。


同じく、本町四丁目の提燈 こちらは「本燭」 でしょうか。 同じ町内でしかも隣同士なのに
提燈の種類が異なります。


こちらは、七日町一丁目の提燈 「榮煌」(ケイコウ)
「榮」は、1.①ひかり。ともしびの光。②ひかる。ひかりかがやく。③ひかりの少しくあらわれるさま。
④光のゆれて定まらぬさま。⑤あきらか。⑥ともしび。小さい光のともしび。⑦まどう。まどはす。
くらむ。目がちらつく。⑧ゑみ草。薬草の名。⑨ほたる。螢。⑩いとなむ。営に通ず。2.火の光。
等の意味があります。

また、「煌」は、1.①かがやく、かがやき。②さかん。盛。③日の菅田。④物のさま。2.かがやく。
3.火の光。4.あきらか。  という意味の漢字です。

[熒煌]ケイコウというのは、 ひかりかがやく。という意味で、白居易の漢文に使われています。
「赫奕冠蓋盛、熒煌朱紫爛」


こちらの提燈には、個人名が後ろに書かれています。これは意味があるのかと思ったら、
この地域では、各個人で提燈を調達しているからだとのこと。

 
そのため、同じ町内で隣同士なのに、提燈が異なるところが、こちらにもありました。
この提燈は、「敬熀」(ケイコウ) あきらかな光を敬うという意味です。
読みは同じですね。

 自家の家紋が入っているものもあります。

この点について、桐谷先生が同じ町内ですので、お尋ねしたら、
「第二次大戦後、此の町内にはあまり家がなかった。最初は、ところどころしか家がなくて、提燈も
ばらばらだった。昭和40年代に一度、お金を出し合って、提燈を一斉に作り変えた事があったが、
その後、提燈が破れたりした場合、個人の責任で修繕することになっていた。
そのため、各個人で気に入ったものを作るようになったために、違う提燈が存在する事になった。
春祭り、秋祭りの氏子のように統一したものがないので、このような事態になったんです。
また、傘の色、総の色も統一性がないから、見てみるといいよ。」
というお答えをいただきました。

私達、春祭りの氏子では、考えられない事ですが、これも高山の文化だと思いました。

さて、外の地域の提燈。


七日町三丁目から、桐生町にかけての提燈。
「献燈」です。 これは、比較的オーソドックスなタイプ。
ただし、結構広範囲にわたって、此の提燈が見られます。

この理由は、この地域が、昔、白山神社の氏子の区域だった事によるものと思われます。

現在は、飛騨総社の方へ合祀されましたが、現在のお旅所になっているところ(総和町地内)
に白山神社がありました。

 
こちらは、神田町1丁目の提燈。
「燈」(トウ)ですね。ろうそくのともし火=神様の光 という意味です。

 
神田町2丁目の提燈。
「敬熀」(ケイコウ) あきらかな光を敬うという意味です。逆光で撮ったら、光の線ができました。
神様の光が差したのでしょうか?


初田町1・2丁目の提燈。
こちらも「敬熀」(ケイコウ)です。


花岡町1・2丁目の提燈。
こちらも「敬熀」(ケイコウ)です。結構、広範囲にこの提燈がありますね。

 
線路を渡ると、富士神社との境目になっていました。


こちらは、昭和町3丁目の提燈。 浄土真宗大谷派と同じ上り藤になっています。
これは、どうしてこの提燈なのでしょうか?これは疑問です。
ひょっとすると、これは、富士神社の提燈かもしれません。未確認です。

 
昭和町1・2丁目の提燈。 こちらは、「熀」(コウ)で、丸提燈です。


昭和町のところは、2丁目と3丁目のところで、境目になっています。

 
本町3丁目は、「燈」が主流ですが、中には、「熀」(コウ)というのもありました。どちらも丸提燈です。

  
ところで、こんな違いも見つけました。横に書いてあるのが、一つは「総社」。もう一つは「懸社」と
なっています。どちらも飛騨総社のことですが、「懸社」と書いてあるほうが古いもののようです。
昔は、飛騨総社のことを「懸社(けんしゃ)」と呼んでいましたが、今では「総社(そうじゃ)」の方が
一般的なのでしょうね。

徳積善太





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