佐美川の石碑
ときどき、仕事で通るのが、金山から佐美へ抜ける道路です。
その右側には、かなり綺麗な清流があります。
仕事で飛騨の各地を走っている私ですが、この佐美川の清流と、金山の馬瀬の奥、小川の
清流は、飛騨でもぴか一だと思います。
そんな清流の風景を楽しんでいたら、あるところに石碑を見つけました。
そこにはこのように書いてあります。
「箱関の碑
佐美川の清流崖下を洗うところ此処に方形水深2.5mの、中山の箱渕
があった往昔いつの世か旱天続き村里の水源も川の水も枯れ、僅かに
この渕底から湧き水がでた。村人は渕底に水天明王碑を祀りその水を
用水に汲んだと伝える。
また碧渕は文化年間、村の若人おそめ幸吉悲恋の物語りを湛え、当時
の里人により地蔵像・翁塚碑が建てられその追福が祈られた。
翁塚碑には
影向や あふぎてつたふ 恋の道
箱渕に うつるも恋の影向哉
導くか 仏の御手も糸柳 等を刻む。
県道改修に及び名渕は埋まった。時恰も平成改元の春、旧石碑等を
ここに移し、碑を建てその跡を永く後世に伝える
平成元年春三月」
一見すると綺麗な清流なのですが、こんな物語があったんですね。
徳積善太