4月22日未放送分_飛騨高山まちの博物館について
(4月22日未放送分_まちの博物館について)
皆さんこんにちは。飛騨の歴史再発見のコーナーです。
このコーナーは飛騨の生涯学習者第二号わたくし、ながせきみあきがお届けしてまいります。
さて、3月11日におこった、東日本大震災からすでに40日が経過しました。未だに東北地方
では、震度3以上の地震があり、住民の皆さんを震え上がらせています。
また、全国各地で震度5を超える余震がつづき、日本国民を不安に陥れております。
早く収集がついてほしいと思いますが、多い日には一日に80回以上も余震がある日があります。
自然の力の前に、人間はなんて無力なんだろうと思います。
先日、高山祭が行われましたが、古川祭は中止になりました。
そもそもお祭りと云うのは、氏子の繁栄、五穀豊穣、商売繁盛などを祈念して行われる
ものであって、単なるイベントとは違います。古川では結果的に観光関連業者が嘆願書
などを出されたようですが、一度決定されたものが覆らず、結局は中止と云う事でした。
ただし、祭屋台を出したり、起こし太鼓が中止になったと云うだけで、神事は本殿にて
行われたようです。
私も観光業者の一人ですので、開催された高山祭と開催されなかった古川祭を見て
まいりましたが、どうも古川の方々からは、高山祭が開催されたことに対して、非常に
うらやむ声しか聞こえてきませんでした。
また、開催した高山と中止した古川の町を比べた時に、町の活気と云うものが全然違い
ました。
やはり、開催した方では、住民の人も活気がありますし、売り上げなどは低迷していた
ものの、人の前向きな気というものが感じられました。一方で、開催されなかった方は、
どうも停滞ムードで、仕事などにもなんとなく熱が入らない。
雰囲気も非常に暗いという感じがしました。
そのためか、町のほうも歩く人がまばらで、一層雰囲気を暗くしている。
そんな感じがしました。
よく経営などで「プラス志向とマイナス志向」という話がありますが、人間の気という
ものはプラス志向の発想によるものです。
どうしてこんなにも違うのかという感じがしております。
なんとか、古川の方々がもっとプラス志向になって、前向きになることを願うものです。
さて、本日の放送に入りましょう。今月は一カ月お休みをいただいておりますので、
放送はありませんが、放送原稿だけをお届けしております。
今日のお話は、今月11日にリニューアルオープンしました、旧高山市郷土館について、
今は、飛騨高山まちの博物館という新名称になりました。
先日2度ほどお邪魔してまいりましたので、そのお話をしたいと思います。

この郷土館のあった場所は、旧永田亭といいまして、一之町の町年寄で大旦那様の
永田家のあった場所です。
現在の建物が出来る前は、郷土館の場所と、その下手に永井商店の永井ビルがありました。
永井ビルが高山市に売却されたのを受けて、郷土館が拡張されて、リニューアルオープン
したのが、飛騨高山まちの博物館というわけです。
展示会場は、面積が広くなった分、今までよりたくさんの展示物が展示されるように
なりました。
パンフレットによりますとそれぞれテーマごとに展示物が分けられていて、1から14の
常設展示室と、一つの特別展示室があります。それぞれご紹介しましょう。
1) 高山祭の展示
匠の技術と民俗文化の結晶である屋台と、其れを守り伝える人々の営みについて展示が
行われています。
現在は、各屋台蔵に収蔵してあった人形や古い彫刻。谷口与鹿の下絵などが展示されていました。
2) 高山の町家
現在まで多く残る高山の町家の特徴や仕組みについての展示が行われています。
旦那衆の矢島家や川上家。町年寄としてどのように機能していたかについての
展示がされていました。
3) 飛騨の匠
宮殿や町家、社寺の建築に腕を振るった飛騨の匠について展示が行われています。
ここには、大工道具や飛騨の匠について展示がされていました。
4) 城下町高山
高山城と城下町の整備にはじまる高山の町の歴史について展示されています。
高山城下町の古地図や高山城の絵図面。そして今まで陣屋にあった模型が展示
されていました。
5) 金森氏六代
今日の高山の基礎を作った金森氏六代の足跡について展示されています。
金森氏六代の画像や、家来の鎧などの展示や、関ヶ原、大阪の陣などの絵図が
展示されていました。
6) 高山の歴史年表
古代から現代に至るまで、高山の歴史年表が展示されていました。
7) 伝統行事
地域の絆を育んできた年中行事や祭の芸能について展示がされています。
今回は、端午の節句が近いので、尚武人形や子供の成長を祈った鎧などが展示
されていました。
8) 美術
高山にゆかりのある作家の名品を通じて、飛騨の芸術の系譜について展示されています。
江戸時代の幸野梅嶺から現代の版画家守洞春にいたるまでの作品が展示されていました。
9) 信仰
生活の中で信仰されてきた円空仏当の魅力と人々との関わりについて展示されています。
郷土館に保管されている円空仏をはじめ、浄土真宗や別院についてなどの展示がされて
いました。
10) 町人の暮らし
高山の町人が使用した様々な道具や生活用具を展示されています。
町人が商売で使用した道具や薬関係の看板。引き札や古写真などが展示されていま
した。私の家の写真もあり、大変びっくりしました。
11) 学問・文芸
町人学者や地役人などの活躍により盛んになった高山の学問・文芸について展示されて
います。
長谷川忠崇の「飛州志」・富田禮彦の「斐太後風土記」を初めとして田中大秀の遺品、
地役人の山崎弘泰などの遺品などたくさんのものが展示されていました。
12) 大火と防火
幾度もの大火から学んだ町家保存の知恵と防災の歴史について展示されています。
高山にあった火消し組の纏や半纏。大正時代以降の大火の歴史などについて展示されて
いました。
13) 伝統工芸
飛騨春慶・一位一刀彫、焼物等の名品と現代の作品を展示し、伝統工芸の歴史について
展示されています。
飛騨春慶や一刀彫の歴史や作品、高山の三大陶芸(渋草焼、小糸焼、山田焼)などに
ついて、作品と歴史が展示されていました。
14) 産業
時代ごとのおもな産業や高山の経済を支えた基盤について展示されています。
江戸時代、明治時代にどんな産業があったか。また、田中屋半十郎の遺品などが展示
されていました。
また、今回、特別展示室では、各屋台蔵に保管されていた特別のもの、山王神楽台の
獅子彫刻や台銘旗。鳩峰車台組の昔の屋台幕。青龍台組の猩々緋幕や刺繍幕。
各屋台組の大梃子の装束。布袋台の人形。日枝神社の掛け軸など非常に珍しいものが
展示されていました。

開館時間は、
展示室が午前九時から夜七時。
研修室が午前九時から午後九時。
庭園が朝7時から夜九時まで開放され、
また、休館日は無休。拝観料も無料となっているのが今までと大きく異なる点です。
今後、情報発信基地として利用が高まるといいですね。

本日も時間となりました。来週は、雅楽の演奏会が29日午後二時から日枝雅楽会。
30日午後二時から桜山八幡雅楽会の演奏会がありますのでお休みさせていただきたいと
思います。5月6日から放送が再開となります。
徳積善太
皆さんこんにちは。飛騨の歴史再発見のコーナーです。
このコーナーは飛騨の生涯学習者第二号わたくし、ながせきみあきがお届けしてまいります。
さて、3月11日におこった、東日本大震災からすでに40日が経過しました。未だに東北地方
では、震度3以上の地震があり、住民の皆さんを震え上がらせています。
また、全国各地で震度5を超える余震がつづき、日本国民を不安に陥れております。
早く収集がついてほしいと思いますが、多い日には一日に80回以上も余震がある日があります。
自然の力の前に、人間はなんて無力なんだろうと思います。
先日、高山祭が行われましたが、古川祭は中止になりました。
そもそもお祭りと云うのは、氏子の繁栄、五穀豊穣、商売繁盛などを祈念して行われる
ものであって、単なるイベントとは違います。古川では結果的に観光関連業者が嘆願書
などを出されたようですが、一度決定されたものが覆らず、結局は中止と云う事でした。
ただし、祭屋台を出したり、起こし太鼓が中止になったと云うだけで、神事は本殿にて
行われたようです。
私も観光業者の一人ですので、開催された高山祭と開催されなかった古川祭を見て
まいりましたが、どうも古川の方々からは、高山祭が開催されたことに対して、非常に
うらやむ声しか聞こえてきませんでした。
また、開催した高山と中止した古川の町を比べた時に、町の活気と云うものが全然違い
ました。
やはり、開催した方では、住民の人も活気がありますし、売り上げなどは低迷していた
ものの、人の前向きな気というものが感じられました。一方で、開催されなかった方は、
どうも停滞ムードで、仕事などにもなんとなく熱が入らない。
雰囲気も非常に暗いという感じがしました。
そのためか、町のほうも歩く人がまばらで、一層雰囲気を暗くしている。
そんな感じがしました。
よく経営などで「プラス志向とマイナス志向」という話がありますが、人間の気という
ものはプラス志向の発想によるものです。
どうしてこんなにも違うのかという感じがしております。
なんとか、古川の方々がもっとプラス志向になって、前向きになることを願うものです。
さて、本日の放送に入りましょう。今月は一カ月お休みをいただいておりますので、
放送はありませんが、放送原稿だけをお届けしております。
今日のお話は、今月11日にリニューアルオープンしました、旧高山市郷土館について、
今は、飛騨高山まちの博物館という新名称になりました。
先日2度ほどお邪魔してまいりましたので、そのお話をしたいと思います。
この郷土館のあった場所は、旧永田亭といいまして、一之町の町年寄で大旦那様の
永田家のあった場所です。
現在の建物が出来る前は、郷土館の場所と、その下手に永井商店の永井ビルがありました。
永井ビルが高山市に売却されたのを受けて、郷土館が拡張されて、リニューアルオープン
したのが、飛騨高山まちの博物館というわけです。
展示会場は、面積が広くなった分、今までよりたくさんの展示物が展示されるように
なりました。
パンフレットによりますとそれぞれテーマごとに展示物が分けられていて、1から14の
常設展示室と、一つの特別展示室があります。それぞれご紹介しましょう。
1) 高山祭の展示
匠の技術と民俗文化の結晶である屋台と、其れを守り伝える人々の営みについて展示が
行われています。
現在は、各屋台蔵に収蔵してあった人形や古い彫刻。谷口与鹿の下絵などが展示されていました。
2) 高山の町家
現在まで多く残る高山の町家の特徴や仕組みについての展示が行われています。
旦那衆の矢島家や川上家。町年寄としてどのように機能していたかについての
展示がされていました。
3) 飛騨の匠
宮殿や町家、社寺の建築に腕を振るった飛騨の匠について展示が行われています。
ここには、大工道具や飛騨の匠について展示がされていました。
4) 城下町高山
高山城と城下町の整備にはじまる高山の町の歴史について展示されています。
高山城下町の古地図や高山城の絵図面。そして今まで陣屋にあった模型が展示
されていました。
5) 金森氏六代
今日の高山の基礎を作った金森氏六代の足跡について展示されています。
金森氏六代の画像や、家来の鎧などの展示や、関ヶ原、大阪の陣などの絵図が
展示されていました。
6) 高山の歴史年表
古代から現代に至るまで、高山の歴史年表が展示されていました。
7) 伝統行事
地域の絆を育んできた年中行事や祭の芸能について展示がされています。
今回は、端午の節句が近いので、尚武人形や子供の成長を祈った鎧などが展示
されていました。
8) 美術
高山にゆかりのある作家の名品を通じて、飛騨の芸術の系譜について展示されています。
江戸時代の幸野梅嶺から現代の版画家守洞春にいたるまでの作品が展示されていました。
9) 信仰
生活の中で信仰されてきた円空仏当の魅力と人々との関わりについて展示されています。
郷土館に保管されている円空仏をはじめ、浄土真宗や別院についてなどの展示がされて
いました。
10) 町人の暮らし
高山の町人が使用した様々な道具や生活用具を展示されています。
町人が商売で使用した道具や薬関係の看板。引き札や古写真などが展示されていま
した。私の家の写真もあり、大変びっくりしました。
11) 学問・文芸
町人学者や地役人などの活躍により盛んになった高山の学問・文芸について展示されて
います。
長谷川忠崇の「飛州志」・富田禮彦の「斐太後風土記」を初めとして田中大秀の遺品、
地役人の山崎弘泰などの遺品などたくさんのものが展示されていました。
12) 大火と防火
幾度もの大火から学んだ町家保存の知恵と防災の歴史について展示されています。
高山にあった火消し組の纏や半纏。大正時代以降の大火の歴史などについて展示されて
いました。
13) 伝統工芸
飛騨春慶・一位一刀彫、焼物等の名品と現代の作品を展示し、伝統工芸の歴史について
展示されています。
飛騨春慶や一刀彫の歴史や作品、高山の三大陶芸(渋草焼、小糸焼、山田焼)などに
ついて、作品と歴史が展示されていました。
14) 産業
時代ごとのおもな産業や高山の経済を支えた基盤について展示されています。
江戸時代、明治時代にどんな産業があったか。また、田中屋半十郎の遺品などが展示
されていました。
また、今回、特別展示室では、各屋台蔵に保管されていた特別のもの、山王神楽台の
獅子彫刻や台銘旗。鳩峰車台組の昔の屋台幕。青龍台組の猩々緋幕や刺繍幕。
各屋台組の大梃子の装束。布袋台の人形。日枝神社の掛け軸など非常に珍しいものが
展示されていました。
開館時間は、
展示室が午前九時から夜七時。
研修室が午前九時から午後九時。
庭園が朝7時から夜九時まで開放され、
また、休館日は無休。拝観料も無料となっているのが今までと大きく異なる点です。
今後、情報発信基地として利用が高まるといいですね。

本日も時間となりました。来週は、雅楽の演奏会が29日午後二時から日枝雅楽会。
30日午後二時から桜山八幡雅楽会の演奏会がありますのでお休みさせていただきたいと
思います。5月6日から放送が再開となります。
徳積善太