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下呂門原の街道

今日、下呂市教育委員会の馬場さんより、天保時代に開発された街道筋があるとお話を
お聞きしました。

下呂では、最近、高速道路の建設が進んでいますが、かつてその場所は、交通の難所で、
保井戸から門原に出るのに、難所となっていました。

そこを切通しを作り、開発したのは、何と高山の豪商 永田吉右衛門でした。

天保18年に資金を投入して、それまでの難所だった門原から保井戸に抜ける道を作ったの
です。

保井戸側からみた切通し



天保18年に高山の豪商 永田吉右衛門が関わっていることを示す石碑


反対側の門原側からみた切通し


この切通しで保井戸~門原の間が通れるようにはなりましたが、なおも大八車などで荷物を
運んだりするには、大変な道路でした。

そのため、川の近くに隧道が求められ、岐阜県で初めての隧道建設が行なわれました。



そこには、立て看板が示されています。

「門原トンネル

このトンネルは、大正六年(1916)に県下で最初の道路隧道として、
当時の県道改良工事で造られたもので、延長47m、高さ幅それ
ぞれ4.5mの手堀のトンネルです。
それまでは、飛騨川(益田川)寄りの岸壁を削り取った幅1.5m程
の狭隘道路で、人や荷馬車の転落事故が絶えず、飛騨街道一の
難所でした。
そこで、大正四年(1914)岐阜市上芥見の篠田電機に掘削を依頼、
篠田義彦・敏司兄弟が声望を担って着工、水力発電の削岩機が
使えず手堀りで大変な苦労の末、二年間の歳月を費やして完成
したものです。
このトンネルの開通によって自動車も通れるようになり、難所
は一挙に解消、飛騨の夜明けに大きな功績をもたらしました。

平成十七年二月

中原ふるさと研究会
門原トンネル保存会
篠田貞子
後藤禮子」



門原の難所は、屏風岩と呼ばれ、川に崖が垂直に迫った場所です。



川に近くまで行って見ると、岩の下を道路、その下を飛騨川(益田川)が流れています。



屏風岩の看板


とにかく、すごい難所であったところが、高山の人の尽力によって通れるようになったことは
特記すべきです。


徳積善太




  

金山にお邪魔してきました。

金山の郷土史研究家 長瀬茂樹先生を長尾伴文さんと訪問してきました。

長尾さんは、地元の食材や素材を作って町おこしをされている方です。
今は、「鶏ちゃん」「馬瀬川の魚」「しょうが豚」などを使って数々の展開をされています。

今回、長瀬先生の希望で、「まだまだ伝えたいことがある」ということで、金山の町おこしのために
どんなことが必要か。歴史の素材で、私たちの知らないことがあるのではと訪問させいただきました。



長瀬さんのことが、最近発行された「棚田」を紹介した本に掲載されたそうです。


長瀬さんの棚田は、岐阜県の中でも3か所の一つに認定され、35の棚田を維持されています。
命の続く限り守りたいとのことでしたが、最近、益田地方で人気のある「龍の瞳」にもっとも適した
田んぼとして、今後の協力が期待されます。


かつて、嘉永4年にこの棚田は時の郡代大井帯刀から認められ、その褒美として銀杯が
この家に渡されたそうです。
特別に見せていただきました。


今では、この銀杯で、正月のおとそを飲んでおられるそうです。


徳積善太  

「第一回全日本鶏ちゃんで笑えフェスティバル」レポート3

最後に、今日特別参加された神岡商工会議所の増田さんがとんちゃんを
提供してくださいました。



やはり、「とんちゃん」と「鶏ちゃん」は別物
臭いは臭いし、味は違うし、どちらかというと鶏ちゃんは日本の食べ物だという
印象が強いですね。


調理時間も、「鶏ちゃん」が5分くらいなのに対して、やはり「とんちゃん」は
よく火を通した方がいいので、7分から8分くらいかかっていました。
早く食べたい方には、「鶏ちゃん」がおすすめですね。


このあと、たまたま一緒に来ていた山腰君(飛騨市観光協会)が、うどんを持参されて
いましたので、残ったスープにうどんを入れてくださいました。
やっぱり、とんちゃんの後には、うどんで仕上げるのがいいですね。


菊の井さんが
「忘れてました。本来は鶏ちゃんでもこうやってうどんをいれて食べるのが仕上げです。」
とコメントがあり、

「下呂では、焼きそば、ラーメン、ご飯などで仕上げる場合もあります。」とのこと。

高山以北では、どちらかというと、仕上げには、「うどん」を入れます。
うどんといっても、高山のうどんは「白玉」というもので、四国地方の腰のあるうどんとは
異なります。

焼きそばやラーメンは、入れたことがない。
ここでも、北飛騨と南飛騨の味の文化の違いを感じました。


お陰さまでお腹いっぱいになりました。
遠くから来ていただいたからというので、長尾さんが残りものだけどと言って、参加者全員
に鶏ちゃんをお土産にいただきました。どうもありがとうございました。

「こういう、おいしいイベントはまた参加したいですね。」と原田さん。


次回第二回は未定ですが、またこのブログでもPRさせていただきます。

(完)

徳積善太
  

「第一回全日本鶏ちゃんで笑えフェスティバル」レポート2

フェスティバルのレポートです。

午後からは、いよいよ試食会の開催です。ちょうどお腹がすいていて、会場の
ひとたちはこの時を待ちわびていました。

萩原の菊の井さんが、鶏ちゃんの焼き方や味付けの違いについて、実際に焼きながら
ご説明をしてくださいました。



だいたい、益田地方のものは醤油味。郡上方面のものは味噌味が主流だそうです。

複数の方が、強火で一気に焼きあげます。野菜は何を入れてもいいのですが、やはり
一番おいしいのは、シンプルにキャベツだけ使うのがよさそうです。
ほかの野菜を入れると、野菜から水が出るので、水っぽくなります。


会場の人たちは、今か今かと待ちわびています。
どっちかというとお話はそっちのけ。匂いが食欲をそそります。


本日の出品者
<郡上の鶏ちゃん>
1ふたむらの鶏ちゃん
2山家の鶏ちゃん
3かしわの味付き
4奥美濃の鶏ちゃん
5明宝寒水親どり鶏ちゃん
6桔梗屋の鶏ちゃん

<下呂街道の鶏ちゃん>
1菊の井鶏ちゃん
2萩屋ケイちゃん
3天狗若どりけいちゃん
4カネトのケーチャン
5スタミナチキン
6杉の子

出品者
<郡上の鶏ちゃん>
1ふたむらの鶏ちゃん
 

2山家の鶏ちゃん


3かしわの味付き


4奥美濃の鶏ちゃん
 

5明宝寒水親どり鶏ちゃん


6桔梗屋の鶏ちゃん



<下呂街道の鶏ちゃん>
1菊の井鶏ちゃん

2萩屋ケイちゃん
 

3天狗若どりけいちゃん


4カネトのケーチャン
 

5スタミナチキン



6杉の子


それぞれの味について、食べたすぐに参加者がアンケートを書き、出身地、年齢、男女別
を書いた上で、はがきに記入しました。
後ほど、それを回収して、生産者の方に届けるそうです。

素晴らしい、モニタリングの場となりました。


私の感想については、語弊があるといけませんので、ここでは割愛させていただきます。

それぞれ特徴があって、どれもおいしくいただきました。
私は、いつも萩原のあるお店に行くのですが、そこの味が一番好きです。



ある程度お腹がいっぱいになった所で、下呂飲食業組合の岡田組合長さんから鶏ちゃん
についてのお話がありました。
下呂では「鶏ちゃんやる時は、箸を持ったら絶対に下ろすなというくらい、鶏ちゃん
を始めたら、ずっとかき混ぜて、焦げ付かないように仕上げるのが特徴です。」

という面白いお話を伺えました。

つづく

徳積善太  

「第一回全日本鶏ちゃんで笑えフェスティバル」レポート1

平成23年7月2日
第1回全日本鶏ちゃんでわらえふぇすてぃばる。
於:下呂市萩原町山之口 位山研修館

<セミナー>
挨拶:代表 長尾伴文さん
今日は、第一回です。去年から「鶏ちゃんを素朴に語る会」をやってきています。郡上でなくて下呂市内が中心。今回は少し新しいタイプで、郡上街道と下呂街道の鶏ちゃんを食べ比べをして交流してみたいという事で開催しました。今日出席の方は、大方最初は30人位が50人位になりました。大体は下呂市内。高山地区からや岐阜地区、東京からも見えました。下呂の方にとっては今さら何が鶏ちゃんだというところがありますが、半分は生活に染み付いている方。生れて初めての方が1/3でバラバラですが、面白いと思います。

参加いただいた方は20代から50,60代。男女見えます。岐阜地区でも語る会をやりましたが大体10人やれば、2人位が知っている人。実際はそんなもん。岐阜地区で二人位は、大体郡上で食べている人が多い。下呂の鶏ちゃんを買ってきてというのはない。道の駅に出ていますので、目にはしますが、同じ岐阜県でも地域差が多い。鶏ちゃん加工業者も下呂地区はほとんど来てもらっている。郡上はB1グランプリで大変という事で商品の提供だけいただいた。よく宣伝して欲しいとの事。12時を目処にセミナー形式、位山の会場を選定したというのは、下呂以外の人はよく知っているが、下呂市の方が御存じないので、あえてここを設定しました。
その後に、風土を知るという事で、下呂、郡上それぞれの街道の鶏ちゃんを話したい。
バイオマス研究会の方にも発表していただきます、岐阜女子大学の方に交流を深めながら食育弁当を開発したのでその話。龍の瞳の食べ放題という事で。ラジオで発表したら鶏ちゃんはいいが龍の瞳をということで言われたことがあります。
神岡にトンチャン研究会の方が見えています。トンチャン研究会が新しい人づくり村づくりで発表してもらいます。
下呂と郡上の鶏ちゃんを6種類づつ用意しました。

出品者
<郡上の鶏ちゃん>
1ふたむらの鶏ちゃん
2山家の鶏ちゃん
3かしわの味付き
4奥美濃の鶏ちゃん
5明宝寒水親どり鶏ちゃん
6桔梗屋の鶏ちゃん

<下呂街道の鶏ちゃん>
1菊の井鶏ちゃん

2萩屋ケイちゃん
3天狗若どりけいちゃん
4カネトのケーチャン
5スタミナチキン
6杉の子

ここに書いてありますが選びました。下呂については、全員経営者が来ていますので、屋台を並べて食べ放題にするのではない。経営者の声を聞きたいというのが多いので、滅多に見ることができないので、解説を踏まえながら、ライブで焼いていただき、それを食べて、すぐそれぞれアンケートを書いてもらいたい。
永年の思いを書いてもらってもいい。順位を作る物ではない。また始まったら説明をします。そして郡上の方は、商品を6つ選びました。先日郡上の明宝にケイチャン研究会の方へお邪魔して来ました。商品を提供しますので、食べて下さいという事でした。アンケートを送って下さいという事でしたので、書いて下さい。平等にあたる事はないかもしれませんが、そういう形で進めます。
紹介遅れましたが、私は「鶏ちゃんで笑う会」の代表 長尾です。

それでは、自然の紹介をしていただきたいと思います。伊藤さんお願いいたします。



伊藤:こんにちは。ご紹介をいただきました。伊藤です。森のコンサルタントをしています。自然の話をという事でケイチャンと結びつくかどうかわかりませんが、お話をさせていただきます。
今日のこのフェスティバルは国土国家助成事業の絡みで話します、森林を使った総合利用の自然のしくみ作りという事で森の話を聞いてもらわないといけません。
ここは、萩原の山之口です。一般的に位山というとこの山の向こうですのでバスは通り過ぎてしまいます。位山舟山川上岳が位山三山という事で地域呼称でそう呼んでいた。広く考えて下呂の紹介をしたいと思います。
下呂というのは合併して旧五町村が1つになりました。特徴は、金山の一番南が標高280m。一番高くが、御岳の山頂3068mが長野県になりますので、岐阜県側が3053mです。標高差が2800mあります。これだけの町はありませんが、富士市には負けます。富士市は0mから3776mとなっています。富士山が吹っ飛ばないと勝てません。幅広い自然があり、ハイマツの木があったり、濁河温泉には亜高山帯の針葉樹が一杯あります。その下がブナの森が一部残っています。
金山に懸けて暖温帯の移行帯の森。多種多様な森があると同時に、檜の人工林に取り組んできたところ。60%の人工林の内8割が檜。そのために悩みもあります。
この森には、今から180年前の人工林天保林があります。里山の暮らしも広がっています。
四季それぞれ、いろんな季節があります。中山七里があります。自然の森がありますが、山桜が非常にたくさんあったり、秋は紅葉があるところです。ほぼ良く通るが通過してしまいますよね。周りの山をよく見て下さい。
運転手は見ないように。川上(かおれ)岳はこの奥になりますが、1840mですがドウダンツツジが真っ赤に紅葉して360度の景色が見えます。山が好きな方にはいい場所です。濁河の冬もあります。

歴史に彩られた道、ここは街道です。大宝律令701年に道路制度が認定された。その中の1つ東山道が残っています。メインルートの飛騨支路がここを通っています。 かつて、平城京を造るのに都へ呼んで木工技術を提供したという道が通っています。位山官道の石畳が残っています。
位山の石碑があります。飛騨代官の長谷川忠崇が忍んで建てた石碑です。昔の馬頭観音の石碑もあります。
団子淵には、坊さんに化けたというイワナの話があります。

地図が奥にありますが、地域の自然をマップにしたものがあります。30枚か40枚ありますのでお持ち帰り下さい。それから施設ですが、位山自然の家という研修施設です。元山之口の小中学校でした。尾崎に統合させた時に研修施設としました。市外で一般の方は4200円。一泊三食で泊まれます。屈折望遠鏡などがあります。夏は利用度が高いですが、春秋は少ないので、よろしくお願いします。5人以上で申しこんで下さい。
職員は3人おりますが、おにぎりの準備をしております。食べ比べの時に声を交わしていただきたい。



長尾:ざっとですが、地域の紹介ということで時間をいただきました。ありがとうございました。
出席者は神岡のトンチャン研究会。中部学院大学の学生さんがボランティアできています。ケイチャンを食べた事が多分ないと思いますが、初めてという事で研究したいということです。よろしくお願いします。
いろんな客層の方が見えますが、岐阜県議の駒田先生がお見えになっていますので短めにお話しいただきたい。

岐阜県議 駒田:こんにちは。全日本ということで大きい名前で素晴らしい。長尾さんは金山の出身ということで歴史文化をもとにしながら町おこしをしていただいている。歴史と自然と水のある所に、来ていただきありがとうございます。先ほど下呂から中部学院大学の人と一緒でした。ありがとうございます。
今日はご参加いただきありがとうございました。


長尾:ありがとうございました。鶏ちゃんフードを語るということで日下部さんよろしくお願いします。萩原チキンセンター社長の日下部さんをご紹介します。


日下部:萩原チキンセンターという会社と飛騨美濃ケイチャン協同組合の日下部です。ケイチャンの話をして下さいと言う事でしたいと思います。ケイチャンは地域に根ざした食文化です。岐阜の人は非常によく御存じです。あまりに小さい時から食べています。岐阜だけの食文化だということを知らない人が多い。私自身愛知県出身なのですが、すぐ隣の岐阜県の食文化を何も知らなかった。家内に教えてもらった。改めて、ケイチャンって美味しいが知らなかった。それを広めていくべきと思い、仕事をしております。 私の会社でもパックにしてスーパーなどに卸している。下呂にはケイチャンを作っているメーカーが20数社あります。飲食店の数はわからない位多いです。どこから来てどういう物かということも思いました。調べてみると間違っていないが、大陸からもたらされた文化じゃないかと思います。なぜかというと「ちゃん」というのは、今ではひらがなですが、もともと醤油の「醤」の字を使ったのではないかと思います。「ジャン」というのは、タレで味付けをするという意味があります。色んな醤油や調味料で味付けしました。「ケイジャン」が「けいちゃん」になったのではと思います。何故大陸かというと、飛騨の北部全体をみても、歴史を見ても第一次大戦、第二次大戦の時に強制労働者がかなり連れて来られた。高山線が全通して80年になります。祖父が言っていましたが、工事は大変だったということでした。大陸から連れて来られた方の苦労があって、高山線ができたと聞きました。それで根付いたのではと思います。
岐阜の地で根付いたのは、食べる物が少なかったのではと思います。強制労働者は日本中いますが、食べる物が一杯あって、この地でケイチャンというのは、昔から聞くと食べる物が少なかった。自給自足しないといけなかった。鶏肉というのは、食品の残渣がまた肉として循環している。外部と閉ざされて、限られた地域で完結する。ケイチャンの材料がこの地域はすべて揃っている。そういう事があったと思います。それでできた物が、どこが本物と聞かれます。返事はどこも本物ですと、どれが一番とか関係なく、地域に根ざした食文化ですので、いろんな味があり、いろんな食べ方があり、多様性があり、楽しんでいただけると思います。今後、広がりができ、地域も発展していくと思います。
先祖代々、培った物だと思いますし、商売も成り立つ。皆さんの力で発信できればと思います。
よろしくお願いいたします。


長尾:ありがとうございました。杉ノ子さんに来ていただいていますので、下呂のケイチャンを全国に向けて話して下さい。さきほど、鶏のとさかの笠をかぶった人がありましたよね。杉ノ子の斉藤さんです。



杉ノ子 斉藤さん:日下部さんが話されましたので何も言う事はありませんが、実は私、鶏肉が嫌いです。ニワトリをたくさん飼っていて、卵を取るのに、もみぬかの所に卵を産んで、それを持って来ていました。鶏を潰しているところをたまたま見てしまってから食べられなくなりました。韓国の人と母が友達で、その味をうちの味としてやっています。
このような席を作って下さった長尾さんありがとうございます。プログラムにあるように、ケイチャンの話は私自身の事です。最近、B級グルメとして当てはまる食品イベントを日本中をやっています。郡上が頑張っています。県から補助金を貰っておられます。下呂の方も頑張りかけたが足らなかったので残念。5月にB級グルメが静岡であり、皆で食べてもらいました。旅行業者に会って、「どうしてケイチャンは2種類あるのですか」と聞かれた。他の県から見たらおかしいという事があるらしい。下呂と郡上はたかだか1時間位のところなので考えてみますと、いろいろ違いが有るので考えないといけないと思いました。持ちつ持たれつしながらやっていくのが必要とも思いました。新薬を呑んだ時に治らないと漢方薬を取る場合があります。それを処方するのが医者の処方です。その役目は行政だと思っています。一人でも多くのお客さんに来て欲しい。郡上と手をつなぐには、いろんな方にお世話にならないといけない。先ほどかぶっていた傘の説明は、5・6個作っていますけど、鶏の帽子です。


長尾:ありがとうございました。郡上街道のケイチャンについては、伝えて欲しいという事ででしたので、私から話します。



長尾:日下部さんから出た、大陸からの話しや、鉱山労働者の話をされました。軒先で作っていた鶏を潰して食べた。ただ1つ、商品としては、全日本どこかと言った時に昭和34年に天狗さんで作られたのが初めて。販売という事ではそこが初めてだと云う事を申し上げたら、それはその様な気がしますと郡上の方も言っていました。

岐阜では交通の便がよくて郡上の物を買っているということを言われたが、何も無かったので一致団結して町おこしでやってきた。下呂は恵まれ過ぎている。ということを言われてきました。下呂と郡上の差がその必死さ。交通の便だけではないという事でした。次の時にはそれを主張しに行きますという事です。明宝はグランプリを取っています。一週間、選ぶのが大変で困りました。下呂の方は村山さんと萩原さんという大手がありますが、郡上の物はマニアックな物が多いです。肉商品でなくて、タレ商品だということを伝えて欲しいという事を言われました。

以前、ワタミがケイチャンフェアをやっていましたので、行きましたら、ほうばの上に缶詰を置いていた。「本とかで調べて、こういう風なものだと言われた」と従業員さんが言っていました。そういう事もコントロールしながらやっていければと思います。


長尾:それでは、バイオマス研究会の方にお話しいただきます。



バイオマス研究会 堀田:天気がいいのにここへ来て下さりありがとうございます。長尾さんがやっているケイチャンの会ですが、共催の形で参加させていただきました。
バイオマス研究会はよくわからないという人もありますが、環境の問題の事で横浜へ行った時に生物資源を使った環境開発を考えるという話しだった。ある方に話した所すぐ返答があり、下呂・郡上の山間の土地で何もない所に文化・産業を興したいという時に何がいいのか。下呂は何もないということがありますが90%以上の山林に囲まれていて、湯がある。銭湯の話ではないが湯ばっかりという事では士気も上がらない。龍の瞳の様な新しい産業になるものを持って見える企業の人が一同に会しながら、何もない所に文化の掘り起こしをしながら下呂の生物資源を使って何かできないかという事で集まった研究会です。
ケイチャン。皆さんの気持ちが詰まったという事がありますが、バイオマス研究会の気持ちも入っている事を感じて欲しい。


長尾:ありがとうございました。岐阜女子大学の方とは去年から会に参加していただいて、ケイチャンのケの字も知らない人が進化されました。お話しいただきたい。



岐阜女子大学 山川さん:助手の山川と申します。先生が所用で参加できないので報告いたします。コッコ物語について、食育弁当の発案をされました。食文化開発支援センターという事で、学生がコミュニケーションを持って、地域の特産物を生かしたメニュー提案を行っています。事務の栄養提案や、そこで学ぶ活動をしています。
健康栄養学科は管理栄養士を養成。授業の一環で、フードマネジメント。岐女ランチ。学生が女子高生や高齢者向け。働き盛りの人にそれぞれの問題点を見つけた栄養指導。食生活の改善のきっかけになるようなお弁当を開発。販売を行っています。

管理栄養士は、大量に作ることも求められます。500円で駅近くのキャンバスで販売。大学のオープンキャンパスで食べてもらっている。鶏ちゃんで笑えセミナー参加の話しをいただき、開発しました。
下呂出身の学生を中心にセミナー参加。参加した中から、静岡と美濃の人はケの字も知らなかった。下呂の子が鶏ちゃんを買って来てくれたくらいしか知識無かった。セミナーに参加して、地元の人から歴史と現状を聞いた。昔は各家庭から出る残さいを食べて、鶏が育ち、卵を産み、それを食べ、産まなくなったら、鶏を絞めて、食べたという。今は、卵が出なくなると、ゴミになる。旅館の残さいを食べさせるのが本当だと聞いた。鶏はゴミとして扱われる物を食べ物として卵を与えてくれて、という循環をもう一度知ってもらいたいと云う事で、食育弁当の開発に至った。
完成に至るまで、熱々の物を食べるのが地元の人。弁当での表現は無理なので、食べてもらって、美味しければ下呂に来てもらうというのがいいという事で理解いただいた。
調理師の資格があるので、様々なアイデアでレシピを考えた。お弁当として最適な物を決定。配布資料の一部を載せて、牛乳かん。ひよことにわとりをごはんと玉子で表現など工夫した。ケイちゃんは3種類。オリジナルのチリソースも入れた。
センター活動として考案することはできるが製造販売はできないので業者として長尾さんにお願いして、2回試作し、販売していただくようにした。食育弁当が完成。大学と地域と産業がケイチャンでつながった。
大学として地域に貢献していきたい。


長尾:丼ではなくて弁当という視点で作りあげた。除々に育てていきたい。学生さんも卒業され、この辺に就職された。
龍の瞳のおにぎりが126個できました。小林さんに来ていただいているのでお話ししていただきます。



龍の瞳 小林:ご紹介いただきました小林です。社長の今井が2000年に種を発見して、私の所に持ってきた。「神様がくれた稲穂だ」と言っていた。こういう展開になるとは思わなかった。今年売るべき物は出てしまっている。中山間地の問題や観光、バイオマスの問題。循環型のモデルとして商材が使えないか。マーケットとして、発信できることをやっていきたい。ポテンシャルが高いと思ってやっている。いい歳こいて、夢を追っかける、皆同級生がやっております。
路線から外れていますが、地域で何が出来るか考えて夢みてやっています。これからもいろいろ仕掛けていきますので、お願い致します。
お米は、今日は、前の米と昨年の物と混ぜて出しました。これをりようした味噌もあります。どうぞよろしくお願いいたします。


長尾:神岡からもトンチャン研究会の方にいただいています。その話しをしていただきます。



神岡商工会議所 増田:飛騨市神岡町商工会議所増田です。ホルモンは、内臓の事を言います。神岡では牛の内臓ですが、トンチャンと呼んでいます。ケイチャンの歴史を語られたが、神岡のトンチャンは昭和10年頃に食べられた。鉱山がありました。多くの方が大陸を渡って仕事に来られた。それまで神岡には内臓肉を食べる文化がなかったが、食べるようになった。当時は鉄板がなく、スコップの上に、セメント袋を置いて焼いて食べた。
なぜトンチャンが牛か。モロ韓国語だときいている。内臓肉という意味で「とんちゃん」。牛の内臓肉がトンチャンと伝わっている。トンチャンというネーミング、マップにまとめています。昭和20年頃に田河さんという店が移転して、やっておられた。そこから飲食店で売られるようになったと言われている。
トンチャンという物があって、そういう物を南飛騨のケイチャンと繋げたいと去年からやっています。今回は7/16・17に神岡町の鉱山のスーパーカミオカンデのイベントがあります。夏休みの初日になります。事業をしないかという事でやります。神岡は観光認識がないです。昼に食べれる店がない、昼食に食べてみようとやっていきます。ビールに合う物なので夜がいいが、外から来た人へのおもてなしということで開催します。
ケイチャンの方とも繋がっていきたいのでよろしくお願いします。


長尾:竹原の鉄工所の親父さんが、ケイチャン用とトンチャン用の鍋を開発して下さったことがありました。
今日は、トンチャンを少し持って来て下さいました。すこし口にできると思います。
それでは、試食会に移らせていただきますのでよろしくお願いいたします。なお、この施設は、教育施設ですので、全面禁煙です。喫煙者の方、玄関の所で吸っていただきますよう、ご協力をお願いたします。



つづく

徳積善太 記  

益田の川文化を語る会4_ほうばずし2

益田方面のほうばずしには、たくさんの種類があります。


それは、益田方面は川が豊かで、たくさんの魚が取れるからです。

1)アカザのおすし
 



2)アジメドジョウ
 


3)アブラハヤ(アブラメ)
 


4)アマゴ
 


5)イワナ
 


6)ウグイ
 


7)オイカワ



8)カジカ



9)カマツカ



10)カワムツ
 


11)カワヨシノボリ
 


12)タカハヤ



このほかに、馬瀬川には、うなぎなどがいます。





徳積善太  

益田の川文化を語る会3_ほうばずし作り方

ほうばずしは、最近は飛騨一円で食べられていますが、そもそもは、下呂の
食文化だと思います。

下呂では、豊富な川魚を利用して、ほうばずしにして食べるようですね。






では、その作り方をご紹介します。

1)ごはんをたき、すし酢を混ぜて荒熱を取ります。



2)小魚を佃煮にしておきます。





3)最後にほうばにすし飯を適量載せて、小魚を載せます。





こちらは、あじめどじょう。同じ飛騨でも分水嶺から北の宮川では、神様の
使いの魚として、絶対に食べてはいけない魚です。
ただし、南飛騨(下呂地方)では、天皇陛下も召しあがった高級魚として
珍重されています。




こちらは、アブラハヤ、カジカなど。


アブラハヤは、北飛騨では「アブラメ」といって、あまり食べません。
食べてみたらこれが意外とおいしい。でも、後味に苦みが残りました。






徳積善太


  

益田の川文化を語る会2_アジメとカジカについて

益田の川文化を語る会では、講演がありました。
お一人目は、河川環境研究所下呂支所の藤井研究員さんが講演をされました。

以下、お話の一部です。



平成23年6月25日 馬瀬

カジカとアジメの話   河川環境研究所下呂支所 藤井亮史研究員さん

カジカとアジメの研究をしております。今日は先輩が見えるので話しにくいのです
が、おつきあいください。

<カジカとは>
魚に興味のある方がほとんどだと思いますが、川底に潜んでいる魚です。
ツチカブとか、ドンドとかゴリとか言われます。いろんな事が混じって意思疎通が
できない。よくあるのは、川で鳴いているのかという話もある。鳴いているのは
カジカガエル。カジカは鳴きません。

バケツにひっつく奴は、お腹に吸盤があるヨシノボリという魚です。カジカは張り付く
ことができません。

ドンコという似た魚がありますが、吸盤がないハゼの仲間です。ドンコは鱗があります
が、カジカはありません。鱗がないものですから注意して下さい。
魚によくある浮き袋がない。泳いでないと沈んでしまいます。お腹を守るんですが、
筋肉がなくて一杯食べられるようになっている。お腹は地面で防備するという魚です。
じっとしていると沈みます。

カジカは日本が89種類。海の魚が350種類ですが、岐阜県には三種類います。
海で産卵するアユカケ。小魚が海に下るカジカ小卵型。大方一生川で過ごすタイプです。


<アジメとは>
ドジョウの仲間。ただし背びれや腹びれが、体の後ろの方にあるので胴が長く見える。
スズシマドジョウは、体の真中。口が吸盤状になっている。石の上を吸いつく感じで動く。
餌を食べる行為ですが、それが特徴。模様には変異があり、居る場所によって、異なります。
生息地によって異なります。よく太平洋側と日本海側とで違うこともあります。

アジメとは、かなり有名ですが、中部地方の主に山の清流に生息しますが、世界中でこの
地方にしかいません。
食用とするのは岐阜県と福井県の一部のみ。富山・愛知、から兵庫までしかいません。
一杯いるのに食べない。特に珍重するのは、飛騨南部と郡上、東濃。揖斐の方では食べない。

<正式名称は>
アジメドジョウ。標準和名。図鑑に載っている。ニワエラデリカタ。ニワエラというのはドジョウの仲間を指します。アジメドジョウの仲間を示す国際的な名前で、世界に5種類しかない。旧福岡町の丹羽さんが1937年に命名。
Niwaella delicate(Niwa 1937)

<アジメとは>
食性 石に付着している藻類を食べていると言われている。実際は、藻類だけでなく水生昆虫も食べる。魚粉をメインにした餌でも食べる。川によってその割合は違う。

<産卵>
秋、河川にある伏流水に潜入し、そこで産卵すると言われている。
産卵期は冬とも言われた事があるが、実際は春、水温が約10度に上がった時に産卵する。
一腹の卵数は100~250粒程度。
ドジョウの場合は、1300~37000粒。シマドジョウの場合は500~1000粒。そういうことを考えるとものすごく少ない。

寿命 河川では15歳が見つかっている。
当所では平成三年生まれがまだ元気よく生きている。20歳。これは骨で年齢がわかる。

<カジカ類は希少魚>
カジカは近年減少しており、姿を見ることができなくなった。多くのカジカ類がレッドデータブックに載っている。

<レッドリストにおけるアジメドジョウ>
岐阜県は結構いるので希少魚になってきている。

<希少魚は取っていけないか>
希少魚にもいろいろあります。本当に絶滅しそうなウツモツゴのような魚もいれば、アジメのように食材として水産利用されている魚もいます。

<アジメやカジカはどうしたらいいのか>
全く取ってはいけないことにすると地域の人々の関心がなくなる恐れがある。そのため。これ以上減らさない、取ってはいけない状態にしないことが重要。
持続的に利用するために保全をする
減る要因を、排除する。増える要因を守る、造り出す事が必要。そのためには、カジカやアジメという魚のことをもっと知ること。生体を知る、今の状態を正しく知ることが必要。

<アジメドジョウの保全について>
産卵生体 当所で飼育しながら少しずつ解明段階。水温10度、孵化まで20日おおむね4歳で成熟。

年齢、河川では3歳ころから成熟し始める。
産卵、越冬場所の解明。秋に潜る伏流水(アジメ穴)の場所を解明する。
平松さんは、中州で発生する伏流水に潜入することを明らかに。
飛騨川支流大洞川での例は、大洞川は中州が少なく、河川屈曲部の寄り洲にできる伏流水を利用。

平松さんの研究では、中州を横断するようにできる伏流水において秋にアジメが潜入することを確認した。

大洞川では河川屈曲部の寄り洲にできる伏流水にアジメが潜入している例を確認した。
冬の産卵シーンは見た事がない。

<アジメの魚をもっと知る>
1) 実際の川にどれだけアジメがいるのか。
  大阪の例では、100mあたり1.5匹。大洞川ではそれよりはるかに多い。個体数の把握が重要。
2) 川毎に遺伝的に違う。長距離移動をしない。
太平洋側と日本海側とは違う。
   飛騨川と長良川でどう違うか。等調べる必要がある。
  放流の要望の声が上がっているが、全然違う所の物を持って来ると環境破壊につながる。正しい事をしないといけない。間違った事を教えてしまう恐れもある。
3)絶滅危惧種ですと、遺伝的多様性が異なる場合がある。
尾ひれの模様や、背中の模様が違う。
マイクロサテライトDNAマーカーによって解析すると、遺伝的に差が出てくる。いろんな色があるほど多様性がある。色の割合が異なってくる。

絶滅危惧個体群でもまだ多様性は残されているが、大洞川はさらに異なる。

<減らさないために>
・しっかりと資源管理。
冬場の小路に要注意。産卵しているので壊してしまうと、卵が死んでしまう。工事の人達との意思疎通をして河川工事をする際に生態系を壊さないようにすることが必要。

・生態系に配慮するために意識すること
生息環境を守る。越冬で地下に潜っている冬場こそアジメには重要な季節。
小さな存在、地味な存在の雑魚にも気を配る。いろいろな生き物たちが生きてこそ、本当の良い川。豊かな川。
・地域の文化を守る。人間の文化にも多様性が必要。川を見る人がいないと川が汚れてくる。
文化を守る・・アジメを食べる。いつまでも美味しく食べられるように守りながら利用していくことを意識していくことが大切。

<カジカ養殖による地域特産品の開発>
希少価値を利用して養殖して地域特産品を作る。

<カジカの繁殖技術は>
資源が減っているので放流したい。環境教育の一環として放流したい。
養殖して食用にしたい。実験動物として飼育魚がほしい。面白そうだから個人的に飼育してみたい。などの理由により、開発が進められることになった。
→簡単で、小規模でお金のかからない方法を開発することが必要。

めちゃくちゃ売れる魚ではないので、自家消費を原則に小規模か付加価値を作る。高級な魚、自ら使ってみようという啓蒙をする、

<カジカ養殖>
一般的な養殖魚は、種苗生産業者→育成ぎょうしゃ→市場→料理店・宿泊施設等。

<カジカで目指す生産販売>
料理店が自ら生産。宿泊施設が自ら生産。養殖業者と花王販売業者が強く連携などという方法を取る。

養殖して食用にしたい

養殖に適する種類は
・病気に強い
・卵が多い
・成長がいい
・大きくなる。  そうするとカジカ小卵型がベストか。

石川県では、古くから養殖技術の検討がなされ、実際に養殖も行われている。

12月採卵、卵管理(~3月)稚魚飼育2~5月。淡水での養成(4月~)
コンテナやたらい等で作ることが可能。特別大きな池などいらない。

<カジカ養殖研究会>
会員は飛騨市高山市下呂市郡上市美濃市など県内各地に。料理や宿泊施設養殖業者等多業種に亘る。自ら提供する分量を生産し、料理屋や加工業者とタイアップ。
→カジカのブランド化を目指して活躍中。

唐揚げ、刺身、味噌汁。等を作り、岐阜の自然環境のイメージや希少性を売りに特産品にする。

徳積善太 記録  

益田の川文化を語る会1

日曜日に馬瀬にて第1回益田の川文化を考える会というイベントがあり、参加して
きました。

この企画は、私の大学の先輩の長尾伴文さんが、下呂市の町おこしをしようと、
計画され開催されたものです。

馬瀬の美樹の里近くにある、「水辺の館」にて開催されました。



中に入ると、今回初展示となった「魚皮拓」(ぎょひたく)が展示されていました。

この魚皮拓は、もう今となっては作る人がなくなったそうです。
取ってきた魚の皮を丁寧にはぎ、それを乾燥させて、ラッカーを塗って仕上げたものです。

一番苦労するのは、頭の部分で、その部分は骨が非常に硬いので、トンカチで一つ一つ
丁寧に割るそうです。


墨をぬる魚拓と違って、魚が本来持っている色がそのままに再現されているのが特徴
です。水中にある時のように、本当に色がきれいだと思いました。



室内には、ウグイ、アユ、アマゴ、カジカなどこの近辺で取れる魚のほとんどが、魚皮拓に
なっていました。

つづく

徳積善太